捕まえたセミのお腹をみてみると白いものやオレンジなものがいます。
この色にはどのような違いがあるのか調べてみました。
セミのお腹が白いのはなぜ?
セミの性別を調べようとお腹側をみてみると、お腹に白っぽい粉が付いていることがあります。
この粉は羽化して間もないセミには必ず付着しているものです。
この白い粉は時間が経つとだんだんと自然に落ちていき、羽化後長くても5日以内にはすべて落ちてしまいます。
捕まえたセミのお腹をこすっても取れるようです。
粉の他にセミヤドリガという蛾の幼虫がセミの腹部に寄生している可能性があります。
このセミヤドリガというのはセミが亡くならない程度にセミの体液をすって成長する蛾です。
この蛾の幼虫がセミのお腹から落ちないようにするためのものが足場糸と呼ばれるもので、白い綿毛のようなものがセミのお腹に着いていたらセミヤドリガが寄生している証拠です。
セミのお腹のオレンジ色の部分は何?
セミのお腹にあるオレンジ色の部分は腹弁と呼ばれる、オスのセミに存在する器官です。
オスはこの腹弁が発達していて鳴くために使用します。オスのセミは羽でお腹をこすりお腹の中の空洞にある膜を振動させて鳴いています。
この腹弁は音の大きさや音色を変えたりします。
メスのセミにもこの腹弁はついていますが、メスは鳴くことがないので小さく発達していません。
オスの鳴き方
オスのセミには鳴き方がいくつか種類があります。
同じ種類のメスを集めるための「本鳴き」、メスを共寝に誘うための「誘い鳴き」、鳴いているオスの近くでじゃまをする「じゃま鳴き」などがあります。
また、セミの種類によっても鳴き方に違いがあります。
セミは発音板を振動させ発音筋という筋肉をすばやく伸び縮みさせることで音を出しています。
発音板から出た音はお腹の空洞で響いて大きくなり、腹弁の働きによって音色や大きさが調整されます。
セミの種類が違えば体の大きさも違い、お腹の空洞の大きさも変わってきます。
そのため、セミの種類が違うと鳴き方も違ってくるのです。
まとめ
よく「亡くなっているセミは白くなる」と思っている人もいると思いますが、これはセミの体の重心のせいでお腹が上を向いた状態でいるのを見かけることが多いためです。
飛ぶための羽を動かす筋肉の付いている背中がバランスを保つことができなくなってお腹が上を向いてしまうのです。
このときお腹の白いセミは羽化後間もないセミが運悪く儚く命を散らしていまっているのです。