夏になるとあちこちで見かけるセミの抜け殻。
ひと夏でかなりの数のセミたちが地上へと羽ばたきますが、実は羽化に失敗してしまうセミも少なくないことを知っていましたか?
今回はセミの羽化について調べてみました!
セミが羽化するまで
まずは、セミの羽化の仕方についてご紹介します。
日没後、いそいそと土から出てきたセミの幼虫は、木の幹や葉っぱの上などに移動します。
木の幹といっても高いところではなく、地面から約60cm以内がほとんどだそうです。
羽化を始めてから完全なる成虫になるまで、約2時間。
木の下の方で脱皮するのも、スピーディーな脱皮も鳥などの天敵から身を守るためだそう。
生き残るために、ちゃんと考えて行動しているのですね。
羽化って失敗することはあるの?その確率は?
セミの幼虫による、初めての地上で命がけの脱皮劇!
やはり、セミの幼虫が羽化に失敗することは少なくありません。
失敗する確率はなんと60%!半分以上のセミジュニアが大人の階段を昇れずにいたのです。
羽化に失敗してしまう理由って?
素早く脱皮しているし、低いところで行動をおこしているのに何でそんなに確率が高いの?と思われたかもしれません。
その理由はいくつかあげられますが、その中の三つをご紹介いたします。
まず、一つ目は、「羽化途中に地面へ落ちてしまう」ことです。
脱皮したての身体は、赤ちゃんと同じくらいデリケート。
ほんの少しの衝撃でも、耐えられず、残念ながら失敗してしまうのです。
二つ目は、「羽化するための体力がなくなってしまう」ことです。
本来、脱皮する場所は地面から60cm以内なのですが、たまに地上に出られた嬉しさからか、高くまで登りすぎてしまう幼虫もいます。
そうすると、木登りに体力を使ってしまい、疲れて成虫になるまで踏ん張れず、失敗してしまうそうです。
なんだか切ないですね。
最後はやはり「天敵に狙われてしまう」ことです。
頑張って木の下の方で脱皮をしていても、スズメなどの天敵に見つかってしまったら最後。
自然界の掟ではありますが、もう少しだったのに…と悲しくなります。
まとめ
調べてみて、セミの幼虫の羽化は、まるで過酷な試練のようだなと感じました。
だからこそ、無事に大人になれたセミたちは、失敗してしまった仲間たちの分まで元気に鳴き続けているのかもしれませんね!