世界で親しまれている有名なファーブル昆虫記に「セミに耳はなく、音が聞こえない」という記載があります。
実際にファーブルはセミの近くで大砲を撃ち検証してみたと言われています。
果たして本当にセミに耳はなく音が聞こえないのでしょうか。
セミの耳は本当に聞こえないのか
フランスの有名な昆虫学者であるファーブルが、「セミには耳がないため音が聞こえない」ということを証明するために、実際にセミが鳴いている木の近くで大砲を撃ちました。
驚いてセミが逃げ出すと思っていたファーブルは、セミが何事もなかったかのように鳴き続けているのをみて上記の結論に至ったといわれているのは有名な話です。
このセミには耳がなく音が聞こえないという説は、後に研究が進むにつれて訂正されました。
セミには人間と同じような場所に耳はありません。
セミの耳は外見では判断が難しく、お腹側の後ろ足に付いている腹弁と呼ばれる器官が耳の役割をしています。
腹弁の中の白い膜状のものが人間の鼓膜と同じ働きをしており、この膜が振動することでセミは音が聞くことができると考えられています。
昆虫には耳がないのが多数で、触覚を耳の代わりにしていると言われています。
しかし、例外もありセミのように鳴く虫たちは耳をもっており、その場所はお腹や胸、脚にあると言われています。
セミに耳があるのは分かりましたが、何故ファーブルの大砲の音に驚いて逃げ出さなかったのでしょうか。
これは、セミに大砲の音が聞こえなかったためと言われています。
犬笛をご存じでしょうか。
犬笛は私たち人間の耳には聞こえませんが、犬には聞こえるため犬を呼ぶために用いられています。
これは周波数の違いによるものです。
同じ人間同士でも20代の若者前半までに聞くことができるモスキート音というものがあり、この音は年配の人の耳には全く聞こえません。
セミと大砲の音についても同様のことで、大砲の音はセミにとって聞くことができない周波数だったと考えられています。
周波数が違うのですぐ近くで大砲の音が鳴っても聞こえないために、驚いて逃げ出すことはありませんでした。
ファーブルはそれを見て「セミには耳自体がないため、音を聞くことができない」と思ってしまったということです。
実際セミは求愛行動としてオスのセミはメスを呼び寄せるために鳴きます。
メスはオスの鳴き声を聞いて近づき、子孫を残していきます。
まとめ
セミの耳はお腹側の後ろ足の腹弁という器官をさします。
ファーブルの大砲の音が聞こえなかったのは周波数によるものと考えられており、仲間の声はしっかりと聞くことができます。