夏の暑い日中に鳴いている蝉も、夜になるとその姿を見かけることが少なくなります。
蝉も夜寝るのでしょうか?寝るとしたらどこで寝るのでしょうか?
今回は蝉の夜の活動についてまとめました。
蝉の夜の活動について
そもそも蝉は夜寝るのでしょうか?
蝉は変温動物に分類されます。
変温動物は基本的に1日中起きていますが自分で体温を一定に保つことが難しく、外気温などの環境によって体温が影響されやすいという性質をもちます。
そのため気温が下がってきたり、夜周りが暗くなると動きが鈍くなります。
蝉についても同様で、夜飛ぶのが上手くないこともあり周囲が暗いときは高いところにある木の幹や葉の裏に身をひそめ、動かずにじっと体を休めています。
周りが暗く動きが制限される状態では敵も多いので明るくなるまではじっとしているため、見方によっては寝ているように見えるかもしれません。
しかし、そういった習性もここ数年都市部を中心に変化してきているようです。
原因は温暖化と照明による明るさにあります。
都市部のヒートアイランド現象により夏場、夜中でも気温が25℃以下にならない熱帯夜が増加傾向にあります。
蝉が鳴く条件の1つとして25℃以上であるということがあります。
また防犯対策も兼ねて公園などの街灯も明るくなってきていたり、深夜でも昼間と間違えるような明るい照明の店や会社も増えてきています。
そのため、「日中と同じように明るくて温かい」と蝉が鳴く条件が揃った都市部の場合、夜中でもじっとすることなく日中と同じように鳴くことが近年増えてきています。
休みながら鳴いているため、ずっと鳴きっぱなしということはありませんが、蝉が多く生息していてそれぞれ違うタイミングで休んでいる場合は、夜中でもずっと鳴いていると感じるかもしれません。
同じ条件が揃っていても、大阪では夜中蝉の鳴き声を聞くことが少ないと言われています。
これは、生息している蝉の種類による違いです。
東京ではアブラゼミが多く生息していますが、大阪はクマゼミが多く生息していてクマゼミは夜中鳴くことが少ないという特徴があります。
そのため、大阪で夜中じっとしているクマゼミを離れた場所から見つけたときは「寝ている」と見えるかもしれません。
まとめ
蝉は変温動物のため、気温が下がる夜中は高い木の幹などでじっとしている事が多く、寝ているようにも見えます。
しかし、近年では都市部の温度上昇により夜中でも蝉が昼間と錯覚して、日中と同じように鳴くことも増えています。