夏に森林などに行ってみると、たくさんの蝉が鳴いています。
また、地面を見ますと、セミの抜け殻が大量に落ちているのに気が付きます。
子供たちが拾って集めたり、友達と投げ合いをして遊んだりしていますが、このセミの抜け殻には薬として意外な効能があることをご存知ですか?
蝉の抜け殻は食べられる
中国ではセミの抜け殻をから揚げにして食べるという習慣があるそうです。
また、日本でも大昔には抜け殻を佃煮にして食べていたこともあるそうです。
何とも気味が悪い話ですが、昆虫食という言葉もあるし、何の不思議もないことかもしれません。
しかし、肝心の味のほうはどうなのでしょうか?
実際に食べたことがある人の話によると、ほとんど味はないそうです。
特に美味しくないものを、食べるというのは不思議ですが、実はセミの抜け殻には思わぬ効能があるのです。
蝉の抜け殻は漢方薬になる
漢方薬の本場といえば中国ですが、実はセミの抜け殻を使った漢方薬があります。
名前は蝉退(センタイ)と言います。
読み方はセンダイなど他にもあるそうですが、薬としては同じものです。
中国では、この漢方薬を作るのにクマゼミの抜け殻を使いますが、日本ではクマゼミ以外にもアブラゼミの抜け殻も使うようです。
成分としては、カニやエビの外殻に含まれるキチン質が豊富に含まれています。
漢方薬としての蝉の抜け殻の効能
漢方薬として、セミの抜け殻には解熱剤としての効果があり、悪寒や発熱を抑えます。
また喉の痛みを緩和したり、咳を鎮める効果もありますので、ちょうど風邪の時に飲むと良さそうですね。
また、湿疹、アトピーや蕁麻疹にも効果があり、実際に消風散というアトピー性皮膚炎に効く薬には、セミの抜け殻が成分として使われているようです。
そのほかにも、咽頭炎や結膜炎、白内障、インターフェロン誘起作用、子供の夜泣きなどにも用いられます。
インターフェロン誘起作用というのは、簡単に言うと、病気への抵抗力を増大させる効果があるインターフェロンという物質を体内に増やすということ。
さらに前述したとおりキチン質が含まれているので、動物性の食物繊維としてサプリメントとしても使われます。
これにはダイエット効果や、血圧、コレステロールを下げる効果もあることが分かっています。
まとめ
蝉の抜け殻には、漢方薬として用いるという意外な効能があります。
その効果は、解熱、のどの炎症、蕁麻疹など、幅広い病気に効くようです。