ツクツクボーシという鳴き声で知られる、ツクツクボウシ。
セミはセミでも、鳴き方や生息時期まで違うツクツクボウシですが、決定的に違うのは、その寿命です。
セミとは大きな差があるツクツクボウシの寿命
通常セミは、約7年もの間土の中で過ごし、幼虫が羽化し成虫となり、繁殖期を終えて亡くなっていくというサイクルです。
しかし、ツクツクボウシの寿命は他のセミとは大きく違い、その寿命はなんと1年です。
成虫になってからの寿命は約1ヶ月と他のセミと変わりませんが、卵から成虫になる期間がセミの中でもダントツで短いです。
総合的な寿命としては、最も短命なセミなのです。
つまり、今年の夏に生息しているツクツクボウシの成虫は
昨年の夏の産卵によって、ふ化したものと言えるわけですね。
ツクツクボウシは、気温の差が激しいと命を落としやすくなります。
なので、猛暑の年である夏は特に秋前になり気温が急激に下がると、だんだんとツクツクボウシの寿命が尽きていきます。
逆に、残暑が厳しい年ですと秋前でも暖かいので一般的に1ヶ月と言われている寿命でも2ヶ月ほど長生きする場合もあります。
あくまで自然での生活の場合ですので、捕獲して持ち帰った際はこの気温の変化調整が難しく早くに命を落としてしまうこともあるので、なるべくは捕獲せずに自然のまま過ごさせてあげることが良いでしょう。
近年では、温暖化など気温の変化が原因で、通常は7月くらいに出没する遅めなツクツクボウシですが、暑くなる時期が前倒しになっていることから6月に出没していることも多くなってきています。
そうすると寿命も伸びていくので、ツクツクボウシの生態の変化と温暖化は大きな関係性があり、また重要な問題点であるとも言えますね。
まとめ
セミはどの種類も長年土の中で生息していると思っていましたが、ツクツクボウシが一年ごとのサイクルで繁殖していることに
とても驚きました.
その点からツクツクボウシは、セミの中でも最も虫らしいような気がします。
温暖化などでの生態異常で数が減ってきているツクツクボウシですが、環境とうまく共存し、生態系を狂わすことなく生存してほしいものですね。