夏の風物詩ともいえる蝉の鳴き声。

少し前までは蝉の鳴き声は日中のみでしたが、近年夜でも蝉の鳴き声が聞こえる場合があります。

では、なぜ日中だけでなく夜でも蝉は鳴くようになったのでしょうか。

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蝉が夜うるさく鳴く理由と鳴かないものの違いとは

蝉が鳴くには一定の気温と明るさが必要とされており、その気温は25℃以上と言われています。

また、蝉は暗い場所で飛ぶことが苦手なこともあり、夏場の日中に鳴くのが主とされてきました。

しかし、近年日本は温暖化が進んでおり夜中の気温が25℃を下回らない、いわゆる熱帯夜が増加するようになってきました。

現に熱帯地方のバンコクに生息している蝉は、日中ではなく夜中に鳴くといわれています。

日本も年々気候が熱帯地方に近づいていると言われているので、今後夜中でも蝉が鳴くのが当たり前の光景になるかもしれません。

蝉が鳴く条件である明るさについても、オフィスの明りやネオン照明など都市部では夜中でも日中と同じくらい明るい場所も増加しています。

これらの「夜でも日中と同じように明るく暑い」という状況から蝉が、夜中でも昼間と勘違いして鳴くようになったといわれています。

蝉の祖先は生物の進化を示した表をたどると、カメムシにあたります。

カメムシは昔も現在も夜行性であり、その子孫である蝉も元々は夜行性であった可能性が高いとされています。

熱帯地方から日本に分散し、寒冷であったため鳴く条件を満たす夏場の日中のみ鳴いていたが、日本の都市部におけるヒートアイランド現象で夜中も条件が満たされるようになってきたため、本来の夜行性に戻りつつあるとも考えられるでしょう。

また、蝉が夜にうるさく鳴く地域は東京周辺が主とされています。

「大阪も東京と同じく、夜中でも暑いし明るいでのは?」と疑問に感じた方もいるかもしれませんが、大阪では東京ほど夜蝉の鳴き声がうるさいという状況が発生しないといわれています。

これには、生息している蝉の種類が関係しています。

東京周辺にはニイニイゼミやアブラゼミが多く、大阪周辺にはクマゼミが多く生息しており、クマゼミは夜ほとんど鳴かないため同じような環境であっても、東京周辺のほうが夜蝉が鳴くことが多いとされています。

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まとめ

蝉は本来夜行性の可能性があり、昔は夜中の気温が高くなかったため夏場の日中に鳴くのが主とされてきました。

日本は全国的に温暖化が進んできているため、蝉の生息している種類にもよりますが今後夏場の夜に蝉が鳴くのが全国的に当たり前になるかもしれません。

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