夏になるとあちこちで見かける蝉の抜け殻。

蝉の幼虫が羽化を成功させる確率は高くなく、半数以上が羽化に失敗してしまいます。

今回は蝉の幼虫が羽化するプロセスと羽化を観察するときの注意点についてまとめました。

蝉 羽化 乾燥

蝉の幼虫の羽化について

蝉の羽化は天敵から身を守るために、晴れた日の夕方に土の中から幼虫が出てきて日没と同時に羽化が始まります。

羽化を行う場所は地面から60センチ以内の木の幹や葉の陰で行われます。

高い場所で羽化が行われるイメージがあると思いますが、あまり移動距離が長いと羽化に使う体力を消耗してしまい成功するのが難しくなるため、地面から近い場所で行われるといわれています。

羽化にかかる時間は2時間ほどです。

木の幹などに爪を立て体を支えた状態で羽化がスタートし、まず背中の部分が割れて成虫が上体を出します。

その後脚まで全て殻から出てお腹から逆さまの状態で脚が固まるまで待ち、その後は力を振り絞って残った部分を殻から抜け出します。

無事殻から全て抜け出た後は、体を乾燥させ夜明けとともに旅立てる用意をしながら待ちます。

蝉の羽化を直接観察した場合は、暗くなってきた頃を見計らって蝉の幼虫を見つけ観察します。

このとき懐中電灯のライトを羽化前の蝉に当てすぎると、ライトの光が強すぎて体が乾燥してしまい、羽化が失敗に終わることがあるので注意するようにしましょう。

なるべく自然の状態で観察するのがベストですが、お子さんの自由研究などでどうしても自宅で羽化を観察したい場合はエアコンが効き過ぎた部屋に蝉の幼虫を置くと乾燥しすぎて、羽化が失敗する可能性が高いので注意が必要です。

懐中電灯のライトも乾燥の原因になりますので当てすぎないようにしましょう。

適度な室温と薄暗い環境で見守るように観察するのがポイントです。

また、羽化に4時間以上かかっている場合は、残念ながら羽化に失敗したということになるため、いくら観察してもそのまま羽化が進むことはありません。

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まとめ

蝉の羽化の様子はあまり見る機会がないものです。

観察する場合は、観察に夢中になりすぎず蝉の羽化が成功しやすい環境を整えて見守るようにしましょう。

お子さんの自由研究で羽化を観察したい時も、できれば自然の状態で観察するほうが蝉にとって負担が少なく、またお子さんにとっても蝉の羽化の様子を自然の状態で観察できる良い機会になるでしょう。

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