夏の訪れを教えてくれる蝉。
木に止まっている蝉の他、地面を見れば、蝉の抜け殻も目につきます。
抜け殻がたくさん転がってるなと思って見ていると、たまに動いていることはないですか?
これは、もちろん抜け殻ではありません。
蝉の幼虫が一生懸命に地面を歩いている貴重な姿なのです。
滅多に見られない光景かと思いますが、蝉の幼虫が歩いているとして、一体、どこへ向かって歩いているのでしょうか?
蝉の幼虫の生態
蝉の幼虫の始まりは、蝉の成虫が木に卵を産みつけるところからです。
メスの蝉が産卵管を木に差し込んで卵を産みつけます。
卵はやがて1年ほどで孵化し、幼虫に成長します。
成長した幼虫は、木の表面に出てきます。
木の表面に出てきた時に脱皮するともいわれています。
その後、幼虫は自力で地面を目指し、降りていきます。
地面にたどり着いた幼虫は、土に穴を掘り、土の中に潜り込んでいきます。
蝉の幼虫は、ここから長い地中生活を始めます。
地中生活は一般的に、1年~5年、又は、7年などといわれていますが、蝉の種類や気温などの環境により左右されますので、確定出来ないようです。
地中生活では、木の根元に口の部分にある長い管を差し込んで樹液を吸い生きていきます。
やがて、成虫になる時期が来ると、蝉の幼虫は地中から出てきます。
幼虫が出てきた後の土には、綺麗な形に穴が開いています。
やっと地面に出てきた幼虫は、抜け殻をまとったまま、自分が孵化した木を目指し、歩いていきます。
木の根元まで到着すると、足場となるものを探しながら、自分の思う高さまでずんずん登っていきます。
思う高さまで登ってきた幼虫は、その場で羽化します。
見事、羽化に成功し成虫となった蝉は、翅が飛べる状態に固まるまでその場で待機し、やがて飛び立っていきます。
まとめ
簡単ではありますが、蝉の幼虫が成虫になるまでを調べてみました。
卵が孵化してから、蝉の幼虫は、自力で成虫になることがわかりました。
小さい体で木から地面へ降り、穴を掘って、また土から出てくる行動は感動を誘います。
その後、天敵に命を狙われる危険のある中、一生懸命に自分が産まれた木を目指し登る姿を想像すると、その健気さ、尊さに思わず涙が出そうになります。
人間には決して真似のできないことではないでしょうか。
もしも蝉の幼虫が地面を歩いている場面に遭遇したなら、頑張って!と応援しながら、羽化する場所にたどり着くまで見守りたいと思います。
相当に時間がかかりそうですが………。