セミは成虫になって卵を産み、卵が幼虫になり、幼虫は穴を掘って土に潜り、土から出て成虫になり、そして卵を産み………。
セミはこれを繰り返し、自分たちの命を後世へと繋いでいきます。
セミが地中にいる期間は長いといわれていますが、その間何を食べて過ごしているのでしょうか?
土に含まれる水だけで過ごせるのでしょうか?
そもそも、セミは水を飲むのでしょうか?
セミが穴を掘って土に潜っている期間
木に産みつけられた卵が孵化し、孵化した幼虫は自ら地面に降りていき、降りてきた木の近くの地面に穴を掘って、土の中に潜り込みます。
土の中で成虫になる時期までを過ごすのですが、その期間はセミの種類や環境によって異なりますが、代表的なセミで見てみると
・クマゼミ…2~5年
・アブラゼミ…2~4年
・ツクツクボウシ…1~2年
・ニイニイゼミ…4~5年
といわれています。
成虫の体が大きいセミの方が地中生活の期間が長いように思われます。
地中生活は平均して7年といわれることもあるようですが、大体1~5年という意見が多く見られました。
成虫になる時期を迎えたセミは、地上に出てきた後、約3週間~1か月かけて繁殖活動を行い、産卵をし、その役目を終えるといわれています。
セミの寿命は1週間という話をよく聞きますが、これは鳥や他の生き物に襲われたり、人間がセミの成虫を飼育した場合に上手く育てられずに長生きできないという理由によって出た期間です。
実際は、環境などの条件が良ければ孵化まで約1年、幼虫期間が約1~5年、成虫で約1カ月となり、昆虫の中では長寿の部類に入るとされています。
長い地中生活では何を食べるの?水はどうするの?
成虫の期間に比べ土の中で過ごす幼虫の期間の方が遥かに長いセミですが、土の中にいる間の餌はどうするのでしょうか。
セミは、幼虫の時も成虫になった後も、基本、樹液しか必要としません。
成虫時は木に口の管を突き刺し直接樹液を摂取しますが、幼虫時は土中にある木の根に口の管を突き刺し樹液を吸います。
セミは樹液のみで全ての栄養を補うため、他の物は必要ありません。
生き物は水が無ければ生きていけないと考えてしまいますが、セミは水を飲まなくても全く問題ないようです。
樹液の中に水に代わるものが含まれているので近くに水場のある環境を選ばなくても良いということです。
逆に、翅のある昆虫ですので、水は危険であり避ける、といわれています。
よく、セミが掘った穴の周りの土の上や穴の中に直接水を注ぎセミの幼虫をおびき出して捕まえるという方法を聞きますが、その様な行為は水に弱いセミの命を脅かすことになりますので絶対に避けるべきだと考えます。
まとめ
成虫の時よりも幼虫の時期が長いセミは、地上に出た時も地中にいても、樹液しか摂取しないということが分かりました。
水は飲まなくても、大丈夫なのですね。
セミの寿命についても、思っていたよりも長く、幼虫の期間は立派な成虫になる為の重要な期間で、成虫の期間は子孫を残す為だけの期間ということになるのでしょうか。
そう考えると、幼虫の期間が長いのも理解できます。
セミついて調べてきましたが、まだまだ謎の多い生き物だと思いました。
無理に調べる必要などないのでは、とも思ってしまいます。
セミを含め、小さな生き物たちを応援し、見守り、共生出来ればいいなと、今そんな風に考えています。