セミの成虫は寿命が短いと言われています。
しかし、メスのセミは卵を産み子孫を残す必要があります。
オスのセミとメスのセミでは寿命の長さに違いがあるのでしょうか。
そのことについて調べてみました。
セミの一生
セミは夏の終わりから秋にかけて産卵します。
その卵は木の幹や枝などに穴を開け産み付けます。
そのまま、卵は冬を越し翌年の春から初夏にかけて孵化します。
孵化した幼虫は土を目指して木を降りていき地面に到達すると土の中に潜り込んでいきます。
土に潜ったセミの幼虫は木の根から養分を吸い上げ一年ごとに脱皮を繰り返しながら成長していきます。
孵化して7~8年ほどすると地上に出てきて羽化します。
地上に出てからのセミは危険がいっぱいです。
明るいうちに羽化をはじめると、未熟で柔らかい成体はすぐにアリに食べられてしまうので、セミの羽化が夜にしか行いません。
また、セミの羽化は不完全変態といってサナギの期間はなくすぐに成虫になります。
羽化を終えても体の表面や羽が完全に乾くまで飛ぶことはできません。
羽化後しっかり乾くといよいよ飛び回りながら共寝の相手を探しています。
このときメスを探すためオスは鳴きます。
オスの鳴き声を聞いたメスは呼び寄せられるので、鳴くのはオスだけでメスのセミが鳴くことはありません。
そうして、オスと無事出会ったメスのセミは共寝し、産卵します。
実はセミは天敵の多い昆虫です。
空を飛べば鳥に捕まり、木の樹液をすっていると蜂に襲われます。
そしてたまに蜘蛛の巣に引っかかることもあります。
そして、そんな危険をかいくぐって新しい世代を残すために共寝を行いますが、メスのセミは一生のうちで一度しか共寝しません。
しかしオスは何度も共寝することができます。
セミのオスとメスの比率はほぼ同じなので一度も共寝することができないオスが生まれてきます。
セミの産卵
共寝が終わるとメスのセミは産卵にとりかかります。
セミの産卵管は長さ約7mm、太さ約0.5mmほどです。
この産卵管で適当な枝に穴を開け卵を固めて産み込みます。
卵を産み付けるときに枝に傷をつけるのでその枝が枯れることがあります。
枯れた枝は地面に落ち、孵化した幼虫が土に潜りこみやすいようになっています。
まとめ
セミはオスとメスで共寝のできる回数に違いがありますが、寿命の長さには大きな差はないようです。
長い幼虫の時期を終え成虫になると1ヶ月~1ヶ月半ほどで命が尽きます。
その短い成虫の期間に新しい命を産み生涯を終えていくのです。