夏の風物詩といえばセミですが、他の季節に見かけることはありません。

セミはなぜ夏にしか鳴かないのか調べてみました。

セミ 夏 なぜ (1)

セミの一生

セミの卵は木の幹に埋められています。

多くのセミは翌年の梅雨の時期に孵化を始め、半透明の薄い白色の柔らかい表皮に覆われた幼虫の状態で土の中に潜り込み長い地中生活に入ります。

幼虫として地中で生活する期間は3年~17年と昆虫の中でも長生きです。

幼虫は鎌状の前足で木の根に穴を開けそこに口先を差込導管と呼ばれる器官を使って、樹液を吸って成長し数回の脱皮を行います。

この地中で樹液を吸って成長している期間は身動きが取れません。

そのためモグラやケラ、ゴミムシといった天敵に襲われてしまう可能性があります。

また、中には菌類に冒されて生きられなくなる幼虫もいます。

土の中に潜ったからといって危険がたくさん潜んでいるのです。

長い地中生活を終えるといよいよ地上に這い出し成虫になるための準備を始めます。

セミは日没後羽化を始めます。

明るいうちに羽化を始めてしまうとアリに食べられてしまうので、日没後に羽化が始まるのです。

羽化の最中のセミは完全に無防備なのでとてもデリケートな状態です。

その分ちょっとしたことでも体にかかる負担は大きく羽化の途中で息絶えてしまうこともあります。

余計な体力を使わないためにも羽化するのは地面から約60cmの高さの場所で羽化するケースが多いようです。

羽化を終えても体の表面や羽が完全に固くなるまで飛ぶことは出来ません。

このときに天的に襲われてしまうと逃げることもできないのです。

成虫になると共寝を行い、木の幹に産卵します。

この成虫の期間が1週間と言われているのは、捕まえたセミを飼育することが難しくすぐに亡くなってしまうからです。

実際自然に生きている成虫のセミの寿命は1ヶ月ほどです。

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なぜ夏に地中から出てくるのか

セミは温かい地域で生活する昆虫です。

セミといえば夏というイメージではありますが、実は春や秋にも活動していたりもします。

地域によっては4月に発生することもあり、沖縄では12月1月にもセミを見かけることができます。

夏に出現するからといって暑さを好んでいるわけではないようです。

まとめ

夏の風物詩のセミは長い期間地中で過ごし、地上に出てからは1ヶ月と短い期間の中で子孫の繁栄のため共寝・産卵をしています。

夏にしかセミの声を耳にすることがないのはセミが温かい場所に生息する生物だからで、そのほかの時期には寒い期間を乗り越えるために土の中で過ごしているようです。

飼育が難しく生態についてはなぞの多い生物のようです。

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