関東の蝉が鳴かない…。
そんなことってありえるのでしょうか?
関東といえば、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなどは、わりとどこでも見られるセミですよね。
早朝からうるさく鳴き始めるときもありますし、うるさくって眠ってられないとか、勉強に集中できないとか、暑苦しさが増大するとか、夏の生活に密接に関係してくるのがセミの声のはずです。
しかし、関東で蝉の声が聞こえないという現象が起きた時期もあったのをご存知でしょうか?
「虫の知らせ」というように、蝉と地震の関係が昔からいわれていますが、このことについて調べましたので詳しく見ていきましょう。
関東で蝉の声が聞こえない時があった
1923年に起こった関東大震災では、神奈川や埼玉県、伊豆半島のある一帯で、蝉の声がまったく聞こえない夏だったという記録がされています。
蝉が、災害の予兆を感じ取り、長く土に潜っていたところから、地上に出てきて成虫になる時期を遅らせるのではないかと考えられています。
虫は、災害の予兆をどのように敏感に感じ取っているのかは分かりませんが、ドイツの研究で、携帯の電磁波によってミツバチがいなくなってしまうということもあり、地震による電磁波を蝉や虫たちが感じ取っているのかもしれませんね。
蝉の声が聞こえないもう一つの考察
3.11の震災以降、関東の都内でも蝉の声が聞こえないという現象が、数多くの人から報告されていますよね。
これは、やはり大震災が関係しているのでしょうか。
昆虫専門家によると、これには災害とは別の理由がありそうです。
つまり、セミは土の温度が一定以上にならないと羽化しないのですが、この年は春先から寒かったので、単純に土の温度が羽化するまでには足りなくて、セミが出てこなかったのではないか。という意見です。
ちなみにこの年は、これまで蝉の声が聞こえないといっていた地域でも、徐々にぽつぽつと蝉の声が聞こえてくるようになったという報告が挙がっているので、やはり気温が低かったから蝉が少なかったんだ、という結論になりそうですね。
まとめ
さて、いかがでしたか?
いつも騒がしく夏の訪れを告げる蝉の声が、関東の都内でも聞こえないとなると、なにかいつもと違う、ちょっと不気味な静けさを感じてしまうかもしれません。
災害の予兆と言われていることを考えてしまうと、なおさらですよね。
しかし、ただ気温が寒くて、土の温度が蝉が羽化するまでには至らなかった、という専門的な解釈もあるのだとわかりました。
春先から寒かった年には蝉が鳴かなくても、それほど心配せずに良さそうです。