蝉が鳴く音と言えば、夏の代表的な音として定着していますが、あの小さな体でどんな仕組みで鳴いているのか不思議に思うでしょう。
やや離れている場所からでも、蝉の鳴き声はかなりしっかりと伝わってくるほどのインパクトがありますが、どんな構造になっているのでしょうか?
お腹で共鳴させている
セミは、あれほど大きな音を出せるのには、お腹で共鳴させている仕組みがあるからです。
ほとんどの昆虫は羽を擦り合わせて鳴くのですが、蝉は羽でお腹を擦りあわせその際に出る摩擦音を共鳴させているわけです。
したがって、お腹の中には共鳴できる空気を溜め込んだ共鳴室があり、鼓膜になっている筋肉を振動させて共鳴して音が鳴っています。
あれほどに強い音は、共鳴できる体の構造にあるわけです。
共鳴室の詳細な仕組み
蝉のお腹には共鳴できる共鳴室がありますが、ここは空気が入っているので正に太鼓のようになっています。
共鳴室の前の部分に発音筋という部分がありここと連動して、太鼓で言えば皮の部分になる発音膜で音の根源が出来ます。
小さな蝉の体にはこのような精巧な仕組みが備わっているわけです。
間近で観察をしてみよう
このような仕組みを理解して蝉を間近で観察してみましょう。
お腹を震わせている姿が分かるようになります。
腹部にある強力な筋肉を使って腹部を震わせ、空洞の空気を発音膜から送ることで、その振動で音が出て、共鳴室でさらに増幅させて独特の鳴き声を発しているのです。
まとめ
蝉の体はこのように大きな音を出すための独特の構造になっていることを知れば、仕組みが理解できるようになりますね。
人間の耳にも時にはうるさいとも感じられるほどの鳴き声は、このようにして伝わって来ていることを知ると、これまでよりも関心が湧くのではないでしょうか?