あまり知られていない蝉の生態ですが、なぜ蝉の幼虫が何年もの間暗い土の中で過ごしているのか、そして土の中では何をしているのかを調べてみました。
蝉が土の中過ごす理由とは何なのでしょうか?
蝉は生涯の大半を土の中で過ごしています。
木の幹で卵からかえり木の根を伝って土の中にはいっていきます。
そこから長い間、地中で過ごすのです。
種類や環境にもよりますが、平均7年くらいだと言われています。
ではなぜ何年もの間、土の中にいるのでしょうか、それには理由があるようです。
土の中は、比較的温度が安定して外の環境にも大きく左右されることがない為、地中に入っていくのだと思われます。
もちろん土の中に入ったからといって必ずしも安全ではありません。
土の中にはモグラ、ケラなどの天敵もいるため捕食されてしまうものもいますし、菌に侵されてしまうものもいます。
しかし地上で過ごすより命の危機にさらされることが少ないので自ずと土の中で過ごすようになったと考えられています。
蝉は土の中で栄養を蓄えている
それでは長い間土の中で何をしているのか不思議ですよね。
実は木の根から樹液を吸って地中でも数回の脱皮をしていることがわかりました。
幼虫には長い口吻がありそれを木の根に差し込んで樹液を吸っているのです。
養分を蓄え、数回の脱皮を繰り返し、ある程度の成長をした幼虫は夏になると地面上部に穴を掘り羽化の機会をうかがうようになるのです。
比較的小さなセミの方が早く成虫になる傾向にあるようで、大きさが大きくなればなるほど、その分成長に必要な栄養がたくさんいることになり羽化するのに時間を必要とする為、土の中で過ごす期間が長くなるのです。
そのため、大きさや種類によっても土の中での期間に幅があり、短いもので1~2年、長いもので17年もの間土の中にいる幼虫もいるようです。
まとめ
調べていくなかで、蝉が大半を土の中で過ごしていることがわかりました。
他の生物同様に多くの種を残すため、生き抜く為の手段でもあるように思えてきます。
地中で何年ものあいだ樹液を吸い続け、やっと土から出てきても、土の中とは比べものにならないくらいの短い期間しか地上で生きていられないのです。
そう思うといつもとは少し違った見方で蝉をみられるかもしれません。